出張中の宿泊先ホテルでけがをした場合の労災認定

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Q出張に行ったとき、宿泊先のホテルの大浴場内で、多少のお酒が入っていたこともあり、転んで足を骨折してしまいました。出張中の労災の認定について教えてください。

A会社の業務命令に基づく出張中であり、それに伴う日常行為中の災害と思われます。また、「積極的な私的行為」には該当しないと思いますので、業務上災害として労災と認められる可能性が高いと思います。

管理人

下でくわしく説明するよ☆

出張中の労災認定について

出張中の労災認定

出張は会社の業務命令で現地に赴くものですから、当然のように「仕事」に該当します。一般的に出張の場合は自宅や会社を出発して出張の用務地に行き、用務を終えて自宅や会社に戻るまでが「仕事」であり、その出張業務全般について事業主が責任を負っていると考えられることから、その出張過程のすべてにおいて事業主の指揮管理下にあるといえます。

したがって、出張の場合の労災は、出発して、現地で仕事をし、帰ってくるまで、移動も含めた一連の行程において労災の対象になるのが一般的です。

しかし、日中の業務を終えて宿泊先のホテルに行き、食事をしたりお風呂に入ったりといった日常行為中のけが、いわゆる私的行為中の災害が、はたして業務上の災害と認められるのでしょうか。

出張中の日常行為中の災害は労災と認められる

結論から先に言いますと、出張に伴う日常行為中の災害であれば、積極的な私的行為でない限り、業務上の災害と認められる可能性が高いです。これは出張中の場合は、その出張行程のすべてにおいて事業主の指揮管理下にあるという考え方からきています。

したがって、出張中のホテルなどで「食事をする」「お風呂に入る」「トイレに行く」などの私的行為中に起こった災害であっても、出張に通常伴う行為として「業務遂行性(仕事をしていたことによってけがをしたということ)」が認められることになります。

ただし、ご質問の事例では「多少のお酒が入っていた」とのことです。これについても食事に伴いお酒を飲むことは普通のことですから、「多少のお酒」いわゆる「晩酌」程度のことであれば出張に通常伴う行為の中に含まれると考えられています。これは、事業主の指揮管理下にあるとはいえ、出張中の行動は個人の判断に委ねられている部分が大きいですから、そういった出張という性質上、ある程度は私的行為が介在することを許容しているという部分が大きいのではないかと思われます。

ただし積極的な私的行為があった場合は出張中でも労災にならない!

出張中でも労災にならないこともあります。それは「積極的な私的行為」があった場合です。

積極的な私的行為とは、たとえばお酒で言いますと、通常の晩酌程度ではなく、度を超えて深酒をしてしまい泥酔状態となっていたような場合です。こうなってしまうと、転んだ原因は仕事の範囲を大きく逸脱してしまい、「泥酔していたことから転んだ」と判断できるからです。

他にも積極的な私的行為に当てはまる例として、「仕事が無事に終わった後は野球観戦をしたいから、球場近くの出張の用務地から大きく離れた隣の県に宿をとり、そこでけがをしてしまった」ような場合です。このような場合も、出張に付随して宿をとったというより、野球観戦という目的のために宿をとったということになってしまいますから、業務から大きく逸脱してしまうことになり、宿に滞在中や野球観戦中はもちろんですが、出張の用務地から球場や宿泊先に向かう途中などについても積極的な私的行為といえるため、労災給付の対象とはならないと思います。

  • 泥酔したことでけがをした
  • 野球観戦のためにけがをした …など

積極的な私的行為に伴う災害なら、出張中であっても労災にはならない!

管理人
管理人

出張中ならばお風呂に入っているときも労災が認められるというのは少し不思議な感じもするけど…。
出張中は事業主が責任を負っているんだから、通常の仕事中にトイレに行くことと同じと考えれば納得がいきますね!

コメント

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