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労災かくし!会社が労災を使いたくない理由は?

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Q よく「労災かくし」という言葉を耳にします。労災事故があっても会社はそれを隠すという意味かと思いますが、会社は労災を使うと何かデメリットがあるから労災を使わないということでしょうか。労災と使うと会社はどうなるのでしょうか。

 

A 労災かくしとは、労基署に事故があったことを隠し、必要な届け出をしないことをいいます。労災かくしは犯罪です。絶対にやめましょう。労災保険を使うことで会社側に考えられるデメリットとしては、「保険料が上がる」「労働基準監督署から検査・調査などが入る」「仕事がもらえなくなる」「会社のイメージダウンにつながる」などが考えらえます。

 

 労災かくしとは

 

労働者が労働災害などにより死亡または休業した場合には、事業者は所轄の労働基準監督署に「労働者死傷病報告」を提出しなければならないことになっています。

 

労災かくしとは、「故意に労働者死傷病報告を提出しないこと」又は「虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告を所轄労働基準監督署長に提出すること」をいい、このような労災かくしは適正な労災保険給付に悪影響を与えるばかりでなく、労働災害の被災者に犠牲を強いて自己の利益を優先する行為で、労働安全衛生法第100条に違反し又は同法第120条第5号に該当することとなります。

このような労災かくしに対して厚生労働省は、罰則を適用して厳しく処罰を求めるなど、厳正に対処しています。「労災かくし」による検察庁への送検件数は年々増加傾向にあります。

 

労災を使うと会社にどんなデメリットがあるのか

では、なぜそのようなリスクがあるのに、会社は労災を隠そうとするのでしょうか。労災保険を使うと会社にどのようなデメリットがあるのかを考えてみました。

 

保険料が上がる

労災保険のメリット制の適用になっている事業は、労災保険を使うと保険料が上がる可能性があります。メリット制とは、一定の要件を満たす個々の事業について、その事業の労働災害の多寡により一定範囲内で労災保険率または労災保険料を増減させる制度のことです。

メリット制について、詳しくは下のリンクからご覧ください。

労災保険を使うと保険料は上がるの?(メリット制について)

 

このメリット制の適用になっている事業は、労災を使うと保険料が上がる可能性が高くなりますので、これが会社が労災を使いたくない理由の一つになっていると思います。

 

労働基準監督署から検査・調査などが入る

死亡災害や、転落事故などの大きな事故があった場合は、ほぼ間違いなく労働基準監督署の立ち入り調査が入ります。これにより当然、会社はいろいろな対応に追われることになります。

 

また、労災保険に請求した場合も、業務上災害であることが明らかなものは大丈夫ですが、疑義があるものについては調査に入られることが多いです。これも会社が労災を使いたくない理由の一つになっていると思います。

 

仕事がもらえなくなる

これは主に建設業などが該当すると思いますが、建設業の場合、発注者→元請→下請→孫請などのように数次の請負によって一つの現場が成り立っている場合が多いです。建設業の場合は、現場単位で労災保険に加入することになっており、保険加入や保険料を負担しなければならないのは「元請」の事業場になります。

 

下請や孫請の事業場の労働者が現場でけがをしてしまった場合、下請や孫請の社長はどう考えるでしょうか?

「自分の労働者のせいで、元請の保険料が上がったり、事務手続きなどをわずらわせてしまったり、経営審査などの点数を下げてしまう」「そんなことをしたら、今後、仕事をもらえなくなるかもしれない」と考えてしまうのではないでしょうか。

 

会社のイメージダウンにつながる

労災事故が多い会社は、はたから見れば、「この会社、ちゃんと安全対策とってるの?」などと不安になってしまいます。

また、それまでずっと無災害を続けてきた会社が労災事故を起こしてしまうと、その記録が途切れてしまい会社のイメージダウンにも繋がってしまいます。

こういったことも会社が労災を隠してしまう一因になっていると思います。

 

管理人画像

社長さんの気持ちもわからないでもないですが、労災かくしは犯罪です。どんなときでも自分のところの労働者を一番に考える社長さんであってほしいと思います。

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