下でくわしくお話するよ!
社内運動会の労災認定について
社内運動会でのけがについては、他の災害などと同じように、その運動会が労働者の業務行為またはそれに伴う行為なのかどうかが重要になってきます。かんたんに言えば、それが「仕事」と認められなければ労災には該当しません。
社内の運動会などの労災認定基準
社内の運動会の労災認定に関しては、次の要件を満たす場合に業務遂行性が認められるとされています。
- 運動競技会は、同一事業場や同一企業に所属する労働者全員の出場を意図して行われるものであること
- 運動競技会当日は、勤務を要する日とされ、出場しない場合には欠勤したものとして取り扱われること
「仕事」であるならば、当然、事業主の命令によるものということになりますから、基本的には社内の運動会への参加は強制的なものと考えられます。参加しなければ欠勤扱いになるか、有給休暇を取得するなどしないとおかしな話ということになります。
ご質問のケースでは、社内運動会への参加は「任意参加」ですから、参加するかどうかは労働者側に決める権利があるということです。また、「休日」を利用しておこなっているとのことですから、一般的には社内運動会への参加は「仕事」とはいえないものと思います。
したがって、ご質問の運動会中の負傷は労災には該当しないと思われます。
対外的な運動競技会の労災認定基準
上で説明したような企業内の職員だけでおこなう運動会のほか、会社の代表選手としてマラソン大会に出場するとか、会社の野球チームが野球大会に出場するなど、対外的な運動競技会へ参加する場合もあります。
この場合も、「仕事」であるならば他の出張などと同様に、給料支給の対象になり、参加に伴う旅費や宿泊費なども会社から支払われなければおかしな話になります。
このような対外的な運動競技会へ参加する際の要件はこのように定められています。
- 運動競技会出場が、出張または出勤として取り扱われるものであること
- 運動競技会出場に関して、必要な旅行費用などの負担が事業主により行われ、労働者が負担するものではないこと
ちなみに宴会や懇親会や慰安旅行の場合は?
上記のような運動会以外にも、似たようなケースとして宴会や懇親会、慰安旅行などがあげられると思いますが、こういった行事に出席中のけがなどの場合にはもっと判断が難しくなります。
一見、「そんなのは労災に該当しないでしょ?」と思われる人もいるかと思いますが、たとえば、世話役の人が自己の職務の一環として行事に参加しているような場合ですとか、取引先においておこなわれる親睦会に営業担当者が出席する場合など、仕事と考えられるようなものも少なくありません。
こういった場合には、その行事の目的、主催者、内容、参加方法、費用負担などについて検討され、総合的にそれが「仕事」にあたるのかどうかが判断されることになります。その結果、労災に該当しているケースも少なくありません。
ただし、その行事に参加することは「仕事」と考えることはできたとしても、その間の行為すべてが労災の対象となるかといえばそうではありません。
たとえば、お酒を飲み過ぎてしまい、酔っ払ったことでけがをしてしまったような場合は、仕事を逸脱していると考えられますから、労災には該当しないことになります。
まとめ
社内の運動会や親睦会などは、出勤扱いになるか、お金は会社が負担しているか、行事の目的など、いろいろな材料をもとに労災になるかどうかが判断されることになるんですね!