下でくわしくお話するよ!
労災加入は社長の義務!未加入だとどうなる?
労災保険は、農林水産事業の一部(暫定任意適用事業といいます)を除いて、労働者を1名でも雇用した場合はどんな業種であれ必ず加入しなければならないことになっています。いわば、労災保険への加入は、労働者を雇用した事業主の義務と言っても過言ではありません。
労災保険の加入は、労働者を雇用した日から10日以内に「保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署に提出し、保険加入の手続きをしなければならないことになっています。
もし労災保険に入らないで、加入の手続きを怠ったままでいた場合、どうなるのでしょうか。
労災未加入でけがをした場合、費用徴収制度の適用に!?
労災に入らないで一番大きな問題になるのは、雇用している労働者がけがをしてしまったときです。
労災保険への加入は事業主の義務ですから、労災保険に加入していなかったことについては労働者に悪い点はありません。したがって、労働者は仕事中や通勤途上においてけがをしてしまった場合、労災保険に請求する権利があります。
つまり、会社が労災保険に加入していなかったとしても、労働者は労災請求することができるし給付もされるということです。
労災に入らないで労働者が給付を受けた場合、労働者が労災保険から給付を受けた金額の100%または40%を事業主から徴収することになります。これを「費用徴収制度」と言います。
では、どういう場合が100%でどういう場合が40%になるのでしょうか。
❏100%になる場合
労災保険の加入手続きについて行政機関から指導などを受けたにも関わらず、労災に入っていなかった場合、「故意」に手続きをおこなわないものと認定され、100%の費用徴収になります。
❏40%になる場合
労災保険の加入手続きについて行政機関から指導などを受けてはいないものの、労働者を雇用したときから1年を経過してもなお手続きをおこなわなかった場合、「重大な過失」と認定され、40%の費用徴収になります。
※なお、費用徴収の対象になる保険給付額についてですが、療養(補償)給付と介護(補償)給付は除かれることになっています。また、療養開始後3年間に支給されるものに限るとされています。
保険料もさかのぼって徴収され追徴金も課せられる
費用徴収制度のほかにも、保険料もさかのぼって徴収されることも忘れないでください。この場合、さらに保険料の10%相当の追徴金が課せられる場合もあります。
こうなってしまったら大変!労働者を雇用したら労災保険には必ず加入するようにしましょう!
費用徴収制度は、労災に加入していても適用される場合があります。それは…
- 労働保険料の滞納中の場合
- 事業主の故意または重大な過失により生じた事故の場合
です。
費用徴収される金額については、「労働保険料の滞納中」の場合は「保険給付金額の40%を限度」に徴収され、「事業主の故意または重大な過失により生じた事故」の場合は「保険給付金額の30%」を徴収されることになっています。
労災に加入しているか調べる方法はある?
- 今の会社、労災に入っているか不安…
- ここに入社したいけど労働保険の対象になってるのかな?
というような人のために、厚生労働省のサイトでは労働保険(労災保険・雇用保険)の加入状況をだれでも手軽に検索することができるページが用意されています。
労働保険適用事業場検索(厚生労働省)
検索のやり方
- 上のリンクページに入り、下部にある「検索ページへ」をクリック
- 検索したい会社の都道府県や会社名などを入力して「検索実行」ボタンを押す
これだけで、労働保険の適用状況、その会社の事業場名・法人番号(法人であれば)・所在地が表示されます。
かんたんな操作で労働保険の加入・未加入を調べることができますので、「この会社どうかな?」と思ったときには検索してみることをおすすめします。