前記事仕事でうつ病!労災認定を受けるための対策で、うつ病などの精神障害で労災認定を受けた場合はいろいろな恩恵を受けることができますが、その労災認定率は決して高くないということをお話しました。
では、うつ病で労災認定される人とされない人の違いはどこにあるのか、お話していきますね。
うつ病で労災認定される人とされない人の違いはなに?
うつ病などの精神障害で労災申請する人は、仕事でつらい思いをされた方ばかりです。
パワハラ・セクハラを受けた人、いじめにあった人、長時間労働を強いられた人…。原因は人それぞれだと思いますが、皆一様に仕事で大変つらい思いをされた方ばかりでしょう。
しかし、仕事でつらい思いをして病気になったからといって、すぐに労災に認定されるというわけではありません。
風邪をひいた場合を例に少し考えてみましょう。
毎日のように忙しく働いたせいで、疲れがたまって免疫が落ちてしまうことで風邪をひきやすくなるということがあります。でも、これを「仕事のせいで風邪をひいたんだから労災に認定します!」…となっていたらどうでしょう?
「私は仕事で疲れないよ!」という人がいれば別ですが、きっと「風邪」はすべて労災ということになってしまいます。風邪だけではありません。この世の病気は疲れやストレスがなんらかの影響をもたらしている場合が多いですから、ほとんどの病気が労災ということになってしまうでしょう。
うつ病の労災認定はこうなっている!
最初に言っておきますが、うつ病の労災認定基準は複雑です。単純に「仕事でうつ病になった→労災認定します!」とはなっていないということですね。
ではどのようになっているのか?
仕事をしている人なら、「私、仕事でストレスが全くないよ!」という人はいないでしょう。また、人は「お金」「恋愛」「友人・親戚・ご近所などの人間関係」など、仕事以外のプライベートでもなんらかのストレスを受けながら生活しています。
人の気持ちが数値化できないのと同じように、人が受けた心の傷やストレスも数字で表すことはできません。
さらに、同じ嫌な出来事があったとしても、その人によって受ける心の傷の大きさやストレスの強さは違います。
その人が仕事でどれだけストレスを受けたのか、その人がどれだけ仕事でつらい思いをしたのかは本人にしかわからないことなんですね。つらい思いを共感することはできても、それを明確に表すことができないので、労災認定には採用されません。
したがって、「私は仕事でこんなにつらい思いをしたんだ!」といくら訴えたところで、あまり意味がないということになります。(気持ちはよくわかりますよ!)
労災認定はどのようにされる?
では、どのように労災認定されるのか?
うつ病などの精神障害で最も重要視されるのが『どのような出来事があったのか』です。「な〜んだ、そんなことか」と思ったかもしれませんが、これを積み重ねていく人が労災認定されやすい人といえます。
うつ病などの精神障害の労災は「本人がどれだけツライ思いをしたのか」で認定されるわけではない。
あくまで「どういう事実があったのか」が最重要!
最終ページでは、労災認定を受けるためにはどうしたらいいのかについてお話していきます。