労災保険!一問一答

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業務災害

仕事中に暴行を受けた!

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Q 私はタクシーの運転手をしています。先日、見知らぬ酔っ払ったお客様を乗せたとき、なにに腹を立てたのかはわからないのですが、急に後ろから私の頭を殴ってきて、後頭部にけがを負ってしまいました。このような場合、労災からの給付の対象になるのでしょうか?

 

A 業務上災害として労災から給付される可能性が高いと考えますが、第三者行為災害に該当するため、必要な書類を提出し、調査実施後に決定されることになります。

 

業務災害と判断されるが第三者行為災害に

業務上の災害とは、労働者が業務を遂行中にその業務に起因した危険によって被った災害をいいます。

タクシーの運転手さんは泥酔状態の客を乗せることも日常的にあり、酔っ払ったお客さんから突然暴力を振るわれたりすることは可能性として十分に起こり得るものと思われます。お話のケースも、見知らぬお客さんから突然殴られたとのことですし、明らかにタクシーの運転業務と関連して起こった災害と思われますので、業務災害と判断される可能性が高いと思われます。

 

また、相手(第三者)の明らかな過失により被害を受けたわけですから、第三者行為災害に該当するため、第三者行為災害届などの必要な書類を提出後、労働局・労働基準監督署で調査が実施され、最終的に労災になるかならないか、相手との過失割合などが決定されることになります。

 

第三者行為災害については、以下をご覧ください。

第三者行為災害について

 

暴行を受けても労災にならない場合もある

しかしながら、同様なケースであっても反対に労災にならないようなケースもあります。

 

私怨や恣意的行為の場合

お客さん「道を間違えたな!ふざけんな!」

運転手「え?間違えてないですよ!」

お客さん「なんだ!?その態度!上等だ、表へ出ろ!」

運転手「そんなに酔っ払っている状態で俺に勝てると思ってるのか。」

 

その後、運転手とお客さんは車外に降りて5分ほど口論が続き、ついに頭にきたお客さんは運転手を殴り、これに応戦してケンカ状態に。これにより頭部や顔面を負傷。

…なんてことになってしまった場合、口論となったキッカケはもちろん業務にありますが、そこからお互い腹が立って殴り合いのケンカに発展し負傷した。つまり、

 

口論 → 腹が立つ → 殴られる → ケンカ状態に発展 → けが

 

となりますので、お互い腹が立ったことによって「私怨」に転化、つまり業務をとっくに通り越してしまってからの負傷と判断されてしまうこととなり、このようなケースでは業務との因果関係がすでに失われているものと考えられ、労災にならないということも十分に考えられるわけです。

 

さらに、この運転手さんは車外に出る前に相手を挑発するような言葉を発していますので、これにより相手が刺激され、さらに大きいケンカに発展したとも考えられます。このような場合には、恣意的に自ら危険を招いたものとして、労災にならない可能性がさらに高くなります。

 

示談した場合

また、その他にも、お客さんと話し合い(示談)をして、治療費や休業補償などについてお客さんから直接、損害賠償を受けたような場合も労災保険から給付が受けられなくなります。当人どうしで話し合い(示談)をしてすべて取り決めを行なってしまうと(全部示談といいます)、労災保険が入る余地がなくなってしまうということですね。

示談をする場合は、慰謝料などの項目だけにして労災保険分は含まれていない旨の示談書を交わすなどをすれば、全部示談とはみなされず労災保険の適用があるかもしれません。この辺りは労働局・労働基準監督署に確認することをお勧めいたします。

 

管理人画像

最近、タクシーの乗務員さんが酔っ払ったお客さんに暴行される事件をニュースで目にしますが、ドライブレコーダーが普及してきたせいか逮捕される確率も上がってきているようです。お酒を飲んでもちゃんと節度をわきまえる、これ大事だと思います!(自分に言い聞かせています…)

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