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業務災害

精神障害(ストレスによる不安うつ病など)の認定について(その1 概要編)

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Q 上司からのパワハラや度重なる残業などにより頭痛や不安、不眠や倦怠感などの症状が出始めたため、心療内科を受診したところ、「ストレスによるうつ病」と診断されました。労災保険の精神障害の認定について、概略を教えてください。

 

A 精神障害は、仕事によるストレス、仕事以外の私生活などによるストレス、その人がもともと持っている素因など、さまざまな要因により発病します。労災保険では、業務(仕事)による心理的負荷が強いものと認められる場合に限り、認定されます。

 

精神障害が発病するまで

ストレス社会と呼ばれる昨今、恒常的な長時間労働を強いられたり、過剰なノルマを課せられたり、上司からのパワハラ・セクハラなどによりストレスが蓄積し、頭痛や不安症状などが出現したり、「うつ病」などの精神疾患を発病して、精神科や心療内科を受診する方が増えています。精神科や心療内科はどこも患者さんであふれ、予約がいっぱいでなかなか受診できないことも多いようです。

 

精神障害は、こういった仕事によるストレス(心理的負荷)によるもののほか、家族間の悩みや借金などの仕事以外の原因によるもの、その人がもともとから持っている要素(既往症、アルコール依存状況、生活史など 個体側要因と呼ばれています)など、さまざまな要因が関連し合いながら発病に至ると考えられています。

精神障害の発病には、業務による心理的負荷、業務以外の心理的負荷、個体側要因が関連しています。
(精神障害の労災認定パンフレットより)

 

このため、労災保険では、仕事によるストレスが強いものと認められなければ認定はされないことになっており、労災認定要件としては以下のとおりとなっています。

 

精神障害の労災認定の要件

労災保険の精神障害の認定要件は以下のとおりです。

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

 

労災認定要件1

認定基準の対象となる精神障害を発病していること

 

認定基準の対象となる精神障害とは、世界保健機関(WHO)が作成した「ICD-10」の第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類される精神障害であって、分類コードF0とF1は除くとされています。

ICD-10第Ⅴ章「精神および行動の障害」分類

(精神障害の労災認定パンフレットより)

このうち、業務に関連して発病する可能性のあるものは、F2からF4までで、代表的なものとしては、「うつ病」「適応障害」「統合失調症」「重度ストレス反応」「不安障害」などがあります。

ちなみに、「ICD-10」は「アイ・シー・ディー・テン」と読み、International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の第10回修正版という意味です。これは、1990年の第43回世界保健総会において採択されたものですが、現在でも最新のものとして使用されています。

 

労災認定要件2

認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること

 

業務による心理的な負荷(出来事)としては、仕事中における事故や災害の体験、仕事上の重大なミス、過剰なノルマ、仕事内容などの大きな変化、退職の強要、嫌がらせやいじめ、パワハラ・セクハラ、長時間労働などがあり、これらの出来事による心理的負荷の強度により判断されます。

 

労災認定要件3

業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

 

プライベートなどの自分の出来事や、家族・親族の出来事、金銭関係のトラブルなどの仕事以外の心理的負荷や、精神障害の既往歴がある、アルコール依存症である、社会適応状況などの個体側要因によってその精神障害が発病したものではないかどうかが検討されることになります。

 

精神障害の労災認定については、こちらの記事も参考にしてください。

 

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精神障害の発病は、仕事によるストレス以外にもいろいろなことが関連して起こるから、労災と認定されるためには壁が多そうですね。

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