仕事中のぎっくり腰は労災になるの?

業務災害
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質問

仕事中にぎっくり腰になってしまい、仕事を休まなければならなくなりました。ぎっくり腰は労災として申請できるのでしょうか。

答え

ぎっくり腰に代表される「腰痛」は、日常生活を原因としたものも多く見られることから、労災保険では腰痛の認定基準が定められています。「労災になる場合」と「労災にならない場合」に分けて、具体例をあげながら説明します。

管理人

下でくわしく説明するよ☆

仕事中のぎっくり腰など「腰痛」の労災の認定基準とは?

ぎっくり腰・ヘルニア01

ぎっくり腰は、通称「魔女の一撃」と呼ばれていますね。その一撃をくらってしまったら、最悪の場合、しばらく動けなくなるくらいツライものです。

そんなツライ「ぎっくり腰」が仕事中に発症してしまったら…、当然、労災でみてもらえるでしょうと考える人が多いと思いますが、実はそうではないケースも多いんです。

それはなぜなのでしょうか?

まずは、仕事中にぎっくり腰などを発症した場合の、労災の認定基準をみてみましょう。

労災の災害性腰痛の認定基準

  1. 腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められること
  2. 腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること

なんだかよくわかりづらいですよね。。

わかりやすく一言でいうと、「仕事中に起きた災害的な出来事が原因で発症した」場合に労災になるということです。

具体的に例をあげた方がわかりやすいと思いますので、よくあるぎっくり腰の例をあげながらご説明したいと思います。

ぎっくり腰、腰痛

ぎっくり腰などの腰痛が労災になる例

ぎっくり腰などの腰痛が労災になる場合の例としては、以下のようなものがあります。

  • 重たい荷物を運んでいるときに転んでぎっくり腰になった
  • 重たいテーブルを2人がかりで運んでいる最中に、一人が手を滑らしたために瞬時にもう1人の腰部に重量が負荷した
  • 介護中、入居者の体が濡れていたため、抱えあげようとしたときに滑ってずり落ちそうになってしまったことから、転倒させてはいけないととっさに力を入れて抱え込んだ
  • 重たいダンボールだろうと思って一気に持ち上げたが、実は中身が空で、それにより腰に負荷がかかった

これらの出来事でぎっくり腰になった場合は、明らかに仕事中に起きた災害的な出来事が原因でぎっくり腰になったといえると思いますので、労災になる可能性が高いといえます。

また、上の例のような災害的なことは特になかった場合でも、「重たい物を取り扱う際に明らかに不適当な姿勢を取ってしまった」「作業場所が狭く、不自然な姿勢を取らざるを得なかった」などの場合も、ある意味、事故的なものととらえられます。

腰痛の労災認定は、「仕事にともなって腰痛になったのかどうか」「仕事中にどういった出来事が起こり発症したのか」ということが重要となります。発症時の動作や姿勢の異常性などから、腰への強い力の作用が認められた場合には業務災害として認定される可能性が高くなります。

ぎっくり腰などの腰痛が労災にならない例

反対に、仕事中にぎっくり腰を発症したのに労災にならない場合の例をみていきましょう。

  • 仕事中、重い物を運んでいたときに腰痛になったが、特に事故的な出来事もなく、いつもどおり運んでいただけだった
  • デスクワークの人が、机から床に落ちた書類を取ろうとしただけでぎっくり腰を発症した
  • 椅子から立ち上がろうとしただけで腰痛が発生した
  • 仕事中におもいっきりクシャミをしたらぎっくり腰になった

これらの例はすべて仕事中にぎっくり腰を発症していますが、労災になるのは難しいと思われる例です。

床に落ちた書類を取るのも、椅子から立ち上がるのも、クシャミをするのも、仕事をしていれば誰もが普通にとる行動です。こういった動きは日常生活で普通に行われる動作と何も変わりません。

また、重たい物を運んでいる途中だったとしても、普段運んでいるときと何も変わらない動きで、特に事故的なこともなかったとしたら、なぜそのときだけぎっくり腰になったのか理由がわからなくなってしまいますね。

よって、上の例のような場合、仕事に明確な原因があるとはいえず、その結果、労災に認定されることが難しくなるといえます。

ぎっくり腰は、正式には「急性腰痛症」「腰部捻挫」などと呼ばれますが、これらの腰痛は、人によっては何もしていないのにちょっと立ち上がっただけで発症したり、お辞儀をしただけで発症する人もいるなど、日常的な動作の中でも十分に生じ得ることから、それが単に仕事中に起こっただけに過ぎないものであれば労災補償の対象とは認められないことになっています。

なお、腰椎椎間板ヘルニアなどの疾病についても同様な考え方ですが、少し違う部分もありますので、くわしく知りたい場合は当サイトの記事を参考にしてみてください。

ぎっくり腰を労災申請する場合は…

仕事中にぎっくり腰などの腰痛を発症し、労災申請する場合の方法は、以下の記事を参考にしてみてください。

管理人
管理人

腰痛を発症し労災請求した場合は、後日、労働基準監督署の職員から発症時の詳細について確認されることが多いようですので、いつ、どんなことが原因で、どんな姿勢となって腰を痛めたのかなどを詳細に覚えておくことも大事ですよ!

ぎっくり腰・ヘルニア02

災害性の原因によらない「腰痛」の認定基準もある

仕事中に発症する腰痛のほとんどのケースは、上でご説明した「災害性の原因による腰痛」にあてはまります。

しかし、稀で認定件数としては非常に少ないですが、「災害性の原因によらない腰痛」についても認定基準が定められていますので少しふれてみたいと思います。

災害性の原因によらない腰痛とは

突発的な出来事が原因ではなく、重量物を取り扱う仕事など腰に過度の負担のかかる仕事に従事する労働者に発症した腰痛で、作業の状態や作業期間などからみて、仕事が原因で発症したと認められるもの」をいいます。

災害性の原因によらない腰痛の例

  • 20kg以上の重量物を繰り返し中腰で取り扱う港湾荷役などの業務
  • 毎日腰に極めて不自然な姿勢を保持して行う配電工などの業務
  • 長時間にわたり同一姿勢を持続して行う長距離トラックの運転などの業務
  • 車両系建設用機械の運転などの腰に著しく大きな振動を受ける作業を継続して行う業務
  • 10年以上の長期にわたり相当の重量物を取扱ったことによる骨の変化を原因とした腰痛

このようなものが災害性の原因によらない腰痛に該当することになります。ただし、かなりの長期間に渡り従事した人しか対象にならないなど、認定基準が厳しめになっており、認定件数は圧倒的に少ないというのが実情のようです。

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