普通の労災と第三者行為災害はどう違うの?

質問

労災保険の「第三者行為災害」は、なぜ一般的な労働災害とは違った取り扱いをしているのでしょうか。

答え

第三者行為災害は、「相手からの損害賠償」と「労災保険からの給付」のどちらからも損害の補償を受けることができるため、これらの調整が必要になることから他の災害と区別して考えられています。

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下でくわしくお話するよ!

第三者行為災害は一般の労災と区別して考えられている

第三者行為災害と通常の労災

労災保険では、第三者(相手)の過失により労働者が業務災害または通勤災害にあった場合に、これらの災害を第三者行為災害と呼んでいます。第三者行為災害に対して保険給付がおこなわれるときは、通常の災害とは違った取り扱いがなされています。

それはなぜでしょうか?仕事中の交通事故を例に考えてみましょう。

仕事中の災害ですから労災保険からの給付の対象となります。それと同時に、相手に過失があることから相手方に対しても民法上の損害賠償請求権を取得することになります。

もし何も取り決めがなされていなかったら、同じ理由でこの2つから重複して損害の補償を受けることができることになってしまいます。二重に補償を受けることができるとなれば、実際に受けた被害額よりも多くの補償を受けられることになりますので、それではおかしなことになってしまいます。

これを防ぐために、労災保険では他の災害と区別して考えられており、通常の労災とは違った取り扱いがなされているのです。

労災から給付されるときは調整される

通勤途中に交差点で自動車同士の衝突事故を起こしけがをしてしまった場合を例に考えてみましょう。

通勤途中のけがですので労災保険の給付の対象にもなりますし、同時に自賠責保険などの自動車保険からの給付の対象にもなります。この場合、治療費が自賠責保険から支払われれば労災保険からはその分の支払いはされませんし、休業補償が労災保険から支給されればその補償された分は自賠責保険からは支払われないということになります。

コメント

  1. shiro より:

    HANA様、こんにちは。質問させてください。
    詳しくは書けませんが、職場でセクハラ被害に遭い、刑事→起訴、民事→慰謝料請求となりました。慰謝料は支払われましたが、長引くのが嫌で労災で5か月分の休業補償をすることにしました。そこで第8様式での休業補償を医師に書いてもらうはずだったんですが、断られたので困っています。
    事件から2日後に訪れた最初の心療内科の医師があまり良くなく、別の精神病院を紹介されたことで不信感が募りどちらにもその後行きませんでした。さらに別の病院を予約し1カ月後に受診、そこでもセカンドレイプに遭ったためまた別の病院に行き、結局計3つの病院に行きました。
    よって第8様式が3枚必要になり、うち2件の病院はどうにか休業補償の申請書を書いてもらう事になりましたが、最初の病院に「初診日の1日しか申請書には書けない」と言われました。しかし次の病院での初診までに1カ月以上あるので、どうにか書いていただけないかと労基と私個人で4回ほどお願いしましたが「うちでは判断できないので別の病院を紹介した。だから書けない」で話が終わりました。加害者との示談書には「全部示談ではなく、今後も休業補償を直接請求する可能性もある」という内容にしましたが正直もう加害者に請求するのは堪えてます。やりたくないです。支払われる保証もわかりません。また弁護士とやり取りするのもものすごく負担です。しかし医師が書かないという以上、どうすることもできません。
    そこで質問なんですが、この件は第三者行為災害とも言えるので加害者側に休業中の一部の期間(最初の病院から次の病院までの期間)の休業補償を請求をする必要がありますが、最初の病院に行った期間は診断書もない状態です。用意できるのは第8様式の診察当日1日だけの休業補償のみです。ちなみに2番目、3番目の病院では診断書と第8様式での休業補償が貰える予定です。この状況でも加害者側に請求できるのでしょうか。
    かなりまれなケースで難しいと思いますが、諦めたくないので何かご教示あればよろしくお願いいたします。

  2. HANA HANA より:

    >shiroさん
    コメントありがとうございます。
    >この状況でも加害者側に請求できるのでしょうか。
    ご質問にストレートにお答えさせて頂くなら、相手方への損害賠償請求については労災保険では介入できません。弁護士さんとのお話になってしまいます。

    そこでご質問とはズレてしまいますが、まずは労災保険への請求をしてみるのはいかがでしょうか。理由としましては、
    ①初診日のみの医師証明であったとしても1ヶ月分の請求手続きをすることは可能です(任意の様式で構いませんので医師から証明がもらえない理由や経過がわかるものを添付しましょう)
    ②労基からもお願いしているとのことで労基でも事情はある程度わかってくれているのではないでしょうか
    もちろん、医師証明がない状態で手続きするわけですので、労基で調査をおこなうことになり結果が出るまで時間もかかります。まだ労災認定じたいされていない場合はもっと多くの時間がかかることになります。さらにその結果、支給されないということもあります。ですが1つ目の病院から2つ目の病院に受診するまでの経過等に特段問題がないのであれば支給される可能性もないわけではないと考えます。

    お話をお聞きする限りになりますが、現状では心身ともに一番負担が少ない方法なのかなと思いました。ご参考まで。

  3. shiro より:

    HANAさん

    ご返信ありがとうございます。
    読み返してみたら、労基署にすでに申請してるとは書いてませんでしたね。わかりづらくて申し訳ございません。
    実はすでに6月に申請済みで、この件は何度も労基署に申し伝え、聞き取り調査の段階で1件目の病院と2件目の病院で起きた事は説明しております。なぜ申請できたかというと、3件目の病院が1、2件目含む全休業期間まで補償すると言って申請書を書いてくれたのでそれを元に申請しましたが、結局労基署では1件目、2件目でも申請書を貰わないと通せないと言われました。その結果、休業申請のための第8号への記入を、再度医師にお願いする形になりました。そして今は1件目、2件目の第8号用紙を書いてもらってる待ちの状態です。
    それでも、医師が休業補償の申請書にこちらが望む期間を書かないと言ってる以上、労基署ではどうすることもできない、医師の判断が全てであって、気持ちを汲んで補償する事はできないと言われました。ですので残されてるのはやはり民事で請求するしかなくなってしまいました。
    >①初診日のみの医師証明であったとしても1ヶ月分の請求手続きをすることは可能です(任意の様式で構いませんので医師から証明がもらえない理由や経過がわかるものを添付しましょう)
    →労基署には聞き取り時に口頭で病院を変えた事や、証明が貰えない理由を説明したましたが、実際にはまだ医師から申請書を返してもらえてないので医師の証明がもらえない理由や経過の添付書類は作っていませんでした。もちろん、この過程を踏んだとしても申請が通るとは言えませんが、やるだけやってみたいので申請書が戻ってきたら添付して提出してみます。労基署には医師が第8号に書いた期間以外の申請は通らないと言われてしまいましたが…諦めても同じ事なので、とりあえずやってみますね。
    ありがとうございます。後は、弁護士に相談してみます。

  4. shiro より:

    HANA様
    こんにちは!
    前回アドバイスいただいたように書類添付しようと準備していたところ、また状況が変わりそうなので重ねてご質問する事ご容赦いただけたらと思います。(年末年始で労基署がお休みなので、急ぎ確認したく色々調べてます)
    実は1件目の病院が休業補償の用紙を依頼通り書いてくれました。
    しかし、病院側もよくわからないようで、自分も用紙を見てチェックしたんですが合ってるかどうか自信がありません。

    様式第8号28〜31までの病院記入欄ですが、初診の診察日を仮に令和4年8月6日(受診もこの1日のみ)とします。
    ・項目19→令和4年8月6日〜令和4年9月16日
    (9月17日に転院し別の病院を受診しました。1ヶ月以上空いたのは予約の関係です)
    ・項目29→令和4年8月6日〜令和4年9月16日
    41日間 診療日数1日
    ・項目30→令和4年8月6日 転医
    ・項目31→ 令和4年8月6日〜令和4年9月16日まで
    41日間のうち41日

    このような記載をしてもらいました。
    内容は冷静に自分で読んでみても合ってると思いましたが、この記載で問題ないでしょうか?(病院記載欄はわからない、と言う事でしたらすみません。また、HANA様が合ってるとしたとして保証はできない事理解しております)
    年明けに労基に確認すれば済む話なんだから…と自分でも思ったんですが、年明けまでの時間が長くてどうしても気になってしまったのでお伺いしました。HANA様のお手を煩わせるのもどうか…と思いましたが、もしご返信いただけたら嬉しいです。
    年末年始のお忙しいところ、申し訳ございません。

  5. HANA HANA より:

    >shiroさん
    はい、問題ないと思います。
    ただし、上の例でいきますと「42日間」になると思いますので、ケアレスミスには注意してください。
    もし同様になっている場合、病院で訂正してもらう必要があります。

  6. shiro より:

    HANA様

    早速読んで返信いただき感謝致します。
    問題ないですか…よかったです。

    失礼しました、実際の日付に基づいてカウントした日数を書いてしまいました。
    気をつけます。

    間違いがないよう、病院から受け取った際に労基署に電話確認してから提出するようにします。(第8号記入の書類代請求のための第7号を用意してなかったので、再度病院に行く事になったのでまだ手元にありません)
    長かった労災申請も終わりが見えてきましたが、最後まで気を抜かないよう頑張ります。
    HANA様の動画しっかり見て、最後までやり抜きます!
    ありがとうございます!

  7. shiro より:

    HANA様
    こんにちは。前回はありがとうございました。質問がないのに投稿するのはご迷惑かと思いましたが、何度も助けていただいたので結果をお伝えしたいと思いました。
    労災認定は無事降りました。まだ民事でやる事が残っているので全て終わったわけではありませんが、降りるのと降りないのでは全く景色が違って見えます。
    ありがとうございます。
    また、私以外にも医師に労災申請書自体を断られた方のために記録をここに記したいと思いました。正直何故、2つもの病院が申請書記載を断ったのか、書いてくれたのか説明できないんですが、少なくとも有効なのは事情を話して労基からも医師に働きかけてもらう事です。ここでHANA様の言う通り、医師から申請書を書いてもらえなかった経過を添付するといいと思いました。私も実際、労基署と3件目の病院に申請書を送る時に行いました。
    また3件目の病院で一度申請を通して第7号の労災認定されたので、1、2件目の病院でも「3件目で申請降りたので療養期間を希望通り書いてほしい」と丁重にお願いしたのがよかったのかなと思います。その際、3件目の医師記載済みの申請用紙をお手本にどうぞとコピーして添付し、これから書いてもらう第八号と第七号もシャーペンで「書いてほしい内容」を先に記載しておくとスムーズでした。あとは病院側が確認してなぞるだけです。
    病院側でも療養期間と診察日とごちゃごちゃで何が正解かわかってなく、とにかく面倒な仕事を引き受けたくないという印象でした。なのでそこを逆手に取ると希望通りに書いてもらえると思います。(もちろん病院側も了承の上です)
    社労士にちょっと聞きたいことがあるのにお金の面で聞けず、また市の社労士相談でも企業側の方が多くて困っていたところこちらのサイトを見つけられてよかったです。
    お世話になりました。本当にありがとうございました。

  8. HANA HANA より:

    >shiroさん
    労災無事におりて良かったですね。
    また、貴重なお話をしていただき、きっと参考になる方も多くいらっしゃると思います。
    ありがとうございました。

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