通勤災害事例③単身赴任者の週末帰宅中の事故

質問

東京に単身赴任をしている社員が、2週間に1回のペースで金曜日の業務終了後に自家用車で静岡県の自宅に帰宅し、月曜日の早朝に自宅から自家用車で直接出社しています。普段、単身赴任先の東京では、アパートを借りて生活しています。
この事例で、静岡県の自宅に帰る途中に事故を起こした場合、通勤災害として認められるでしょうか。

答え

静岡県の自宅への帰宅に「反復・継続性」が認められれば、業務に伴う自宅と就業先の往復行為と考えられ、通勤災害として認められる可能性が高いと思います。

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下でくわしくお話するよ!

通勤災害の事例〜単身赴任者の帰宅中の事故

通勤災害の事例〜単身赴任

労災保険には仕事中のけがなどについて補償される「業務災害」と、通勤途上においての事故などについて補償される「通勤災害」の2つがあります。

通勤災害の「通勤」とは、労働者が、就業に関し、住居と就業先の場所との間を、合理的な経路・方法により往復することをいいます(業務の性質をもつものを除きます)。

今回は、単身赴任者の自宅が、この「住居」に該当するのか、また、週末に自宅に帰り、週明けに戻ってくる行為が「通勤」に該当するのかという部分がポイントになります。

本事例の情報を整理してみましょう

  • 借りているアパートと就業先は東京都
  • 自宅は静岡県
  • 休日の土日を利用して2週間に一度、自宅に帰宅している
  • 金曜日の仕事が終了後、車で静岡県の自宅に帰宅
  • 月曜日の朝に自宅から直接就業先まで出勤

単身赴任者の場合、反復・継続性があれば通勤災害に

本事例のような単身赴任者の場合、通勤災害でいう「住居」に該当すると考えられるものは、「自宅」と「借りているアパート」の2つあることになります。

「借りているアパート」は、通常、日々の通勤にあたり起点になっている場所になりますので、会社との間を往復する「住居」に該当することは明確ですが、就業の場所と家族が住む「自宅」との間を往復する場合についても、その往復行為に反復・継続性が認められるときは、その「自宅」についても「住居」と考え、自宅との往復行為についても「通勤」として認められています。

したがって、本事例の場合は隔週で週末に家族の住む自宅に帰宅しているとのことですので、反復・継続性が認められ、通勤災害として認定される可能性が高いと考えられます。

管理人

自宅への帰宅に「反復・継続性」が認められるとき!?「じゃ、どのくらいのペースだったらいいの?」と疑問を持つ方も多いと思います。私もそう思いました。
しかし、調べてもなかなか明確な基準は出てきません。
ただ根拠としては、たまに帰るだけなんだったら、それは「就業のための通勤」ではなく、ただの「帰省」でしょ!?ということなんだと思います。

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