労災で死亡したら金額はいくらもらえるの?

Q仕事が原因で死亡してしまったり、通勤途中の事故などにより死亡してしまった場合、その労働者の遺族に対して遺族(補償)給付が支給されると聞きました。労災で死亡した場合に金額はいくらくらい支払われるのでしょうか。

A労災で死亡した場合の金額は、給付基礎日額、遺族の状況や人数などによって決まります。年金になる場合と一時金になる場合があり、それぞれの受給資格者のうちの最先順位者(受給権者)に対し支払われます。

労災で死亡した場合の金額は?

労災で死亡した場合の支給金額

不幸にも仕事中の事故により死亡してしまったり、通勤途上の災害などにより亡くなってしまった場合、ご遺族に対し労災保険から遺族(補償)給付が支給されます。

労災で死亡してしまった場合に遺族が受け取ることができる金額はいくらくらいなのでしょうか。

死亡したときの遺族の状況により年金になる場合と一時金になる場合がある

遺族(補償)給付は、労働者が死亡した当時のご遺族の状況によって、「年金」になる場合と「一時金」になる場合に分けられます。「年金」は受給権者の死亡などにより受給権が失われるまで2ヶ月ごとに支払われ続けるもので、「一時金」とは読んで字のごとく一度だけ支払われて終了になるものですので、当然、年金の方が金額的に有利になります。

では、年金になる場合と一時金になる場合に分けて説明していきます。

遺族(補償)年金になる場合

労働者の死亡当時、その労働者の収入によって生計を維持していた人がいて、かつ、その中に次の1から10に該当する人がいれば「年金」になります

また、受給権者(お金をもらえる人)になる順位も次の1.から10.の順番になり、最先順位の人が人数分の年金を受給することができます。

  1. 妻または60歳以上か一定障害の夫
  2. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか一定障害の子
  3. 60歳以上か一定障害の父母
  4. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか一定障害の孫
  5. 60歳以上か一定障害の祖父母
  6. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか60歳以上または一定障害の兄弟姉妹
  7. 55歳歳以上60歳未満の夫
  8. 55歳以上60歳未満の父母
  9. 55歳以上60歳未満の祖父母
  10. 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹

※ 「その労働者の収入によって生計を維持していた」とは、もっぱらまたは主としてその労働者の収入によって生活をしていた場合だけをいうのではなく、一部だけでも良いことになっていますので、単に同居していた場合仕送りを受けている学生さんなどもこの生計維持関係に含まれることになっています。
※ 「一定の障害」とは、労災保険の障害等級表の第5級以上の障害をいいます。

年金になる場合とならない場合の例

労働者の死亡当時、妻(55歳)、娘(26歳)、父(85歳)と同居していたとします。
この場合、上記の1〜10に当てはまる人(妻と父)がいますので年金になります。ちなみに、娘は同居してはいますが年齢から上記にはあてはまりません。
また、妻と父では妻が最先順位になりますので、2名分の年金を妻が受給することができます。

労働者(未婚)の死亡当時、父(54歳)、母(50歳)、兄(25歳)、妹(20歳)と同居していたとします。
この場合、上記の1〜10に当てはまる人は一人もいませんので年金にはなりません。
この場合、一時金の方に移行して受給の可否を判断されることになります。

遺族(補償)年金の金額はいくらくらいもらえる?
遺族数遺族(補償)年金
1人給付基礎日額の153日分
ただし、55歳以上の妻もしくは一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分
2人給付基礎日額の201日分
3人給付基礎日額の223日分
4人以上給付基礎日額の245日分

遺族(補償)年金として給付される金額は、死亡した労働者が災害が起こる前にもらっていた給料から計算される給付基礎日額を1日分として遺族数に応じた給付日数分の金額が最先順位の人に支給されることになります。

たとえば、死亡するに至る災害の前にもらっていた給料が月30万円の人の場合で考えてみますと、給付基礎日額は約1万円になります。
この人が死亡した当時、上記にあてはまる遺族数が2名(妻と父)だったとすれば、「201万円」を年額とした年金が妻に対し支払われます。

また、この他にも遺族特別支給金として「300万円(定額)」が一時金で支給され、死亡する前に賞与などが支給されていた人はさらに上乗せされる年金(遺族特別年金)もあります。

年金はいつまでもらえる!?

遺族(補償)年金は、支給要件に該当しなくなったら失権(年金がもらえなくなること)します。

支給要件に該当しなくなる例としては、

  • 年金をもらっていた人が死亡した
  • (妻の場合)再婚した
  • (子供の場合)18歳になった年度の年度末をむかえた

などになった場合、年金はもらえなくなります。

遺族(補償)一時金になる場合

労働者の死亡当時、上記の年金を受ける遺族がいない場合には「一時金」になります一時金の受給資格者は次の1.から4.のとおりで、この順番で受給権者(お金をもらえる人)になります。

  1. 配偶者
  2. 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母
  3. その他の子・父母・孫・祖父母
  4. 兄弟姉妹

※ 2と3の中では子・父母・孫・祖父母の順番になります。

遺族(補償)一時金の金額はいくらくらいもらえる?

遺族(補償)一時金の支給額は、以下のとおりとなります。

給付基礎日額の1000日分

たとえば、死亡するに至る災害の前にもらっていた給料が月30万円の人の場合で考えてみますと、給付基礎日額は約1万円になります。
この人が死亡した当時、上記1.から10.の年金に該当する遺族がおらず、同居していた遺族が父、母、兄、妹だったとすれば、「1,000万円」が一時金として父母のどちらかに対し支払われます(父母は同順位のため、どちらか代表者を選任することになります)。

また、この他にも遺族特別支給金として「300万円(定額)」が一時金で支給され、死亡する前に賞与などが支給されていた人はさらに上乗せされる一時金(遺族特別一時金)もあります。

遺族(補償)年金、遺族(補償)一時金の請求手続きについて

遺族(補償)年金の場合は「遺族(補償)年金支給請求書」を、遺族(補償)一時金の場合は「遺族補償一時金支給請求書」を管轄の労働基準監督署に提出します。

各請求書の入手方法については、最寄りの労働局や労働基準監督署でもらうか、インターネットでダウンロードして印刷する方法があります。
くわしい請求書の入手方法については、当サイトの以下の記事を参考にしてください。

また、請求書に添付する書類として、以下のようなものが必要になると思いますが、詳しくは管轄の労働基準監督署に確認してください。

  • 死亡診断書などの死亡を確認できる書類
  • 戸籍謄本などの死亡労働者との関係を確認できる書類
  • 住民票などの生計維持関係があったことを証明できる書類

葬祭料もあわせて請求しましょう

労災で死亡して遺族(補償)給付を請求する場合は、あわせて葬祭料も請求することができます。葬祭料のくわしい請求方法などについては、当サイトの記事をご覧ください。

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