第三者行為災害届の記入例と書き方を徹底解説

第三者行為災害
この記事は約12分で読めます。
第三者行為災害届の記入例と書き方

労災の第三者行為災害届の記入例と書き方について解説していきます。

もし、まだ第三者行為災害届の様式をお持ちでない場合は、労災保険の請求書(申請書)様式・書類はどこからもらうの?を参考に入手してください。

最寄りの労働局・労働基準監督署で入手するか、厚生労働省のホームページから様式をダウンロードして印刷して使用することもできます。また、第三者行為災害届に添付が必要な念書などの様式も同じ場所にありますし、エクセル形式の様式も用意されていますので、手書きだけではなくパソコンで入力して出力することも可能になっています。

なお、通勤災害の場合も同じ様式を使用することになっています。

管理人

下でくわしく説明するよ☆

第三者行為災害届の記入例と書き方

では、第三者行為災害届の記入例と書き方について項目順に解説します。

第三者行為災害届は、「その1〜その4」と「念書」からなっています。

※令和元年5月現在の様式を使用しています。お手元の用紙の入手時期、紙・エクセル様式などによって項目番号やレイアウトが違う場合がありますが、該当の項目名で見ていただければ問題ありません。古い用紙でも受け付けてもらえます

第三者行為災害届(届その1)

第三者行為災害届(届その1)
第三者行為災害届(届その1)

第三者行為災害届の表題部

第三者行為災害届の表題部は、「業務災害か通勤災害か」「交通事故か交通事故以外か」について、それぞれどちらかを○で囲むようになっています。

業務災害or通勤災害

業務災害とは「仕事中の災害」のことで、通勤災害とは「通勤途中の災害」のことです。

通勤途中なのに業務災害!?

出勤途中に会社の敷地内に入ったところで転んでけがをした場合、業務災害と通勤災害のどちらになるのでしょうか。
会社への出勤途中であっても、会社の敷地内に入った時点で業務災害になります。同様に、会社からの帰宅途中であっても、会社の敷地から出るまでの間の災害は業務災害になります。

交通事故or交通事故以外

交通事故なのか、そうではないのかを記入します。自転車の事故や、道路以外の場所における車同士の事故などの場合も交通事故になりますし、構内の移動式クレーンなどによる事故も交通事故に含まれます。

反対に、交通事故以外の第三者行為災害の例としては、「犬や猫などの動物に咬まれた」「暴力行為を受けた」などが該当します。

なお、交通事故以外の場合は「届その2」の提出は必要がありません。(ただし、別に違う様式の提出が必要になる場合がありますので、管轄の労働基準監督署に確認してください。)

保険給付請求権者

けがをした本人の住所、郵便番号、氏名、電話番号を記入し、本人の印鑑を押します。
なお、けがをした本人が自筆で名前を記入した場合は、印鑑はなくても構わないことになっています。

労働基準監督署の欄は、管轄の労働基準監督署名を記入します。

日付は管轄の労働基準監督署に提出する日付を記入します。

1 第一当事者(被災者)

けがをした本人の氏名、性別、生年月日、年齢、住所、職種を記入します。

職種は、現場作業員、一般事務員、自動車販売営業、鋳物工、一般貨物取扱員などと記入します。

2 第一当事者(被災者)の所属事業場

該当の労働保険番号を記入し、けがをした本人が直接所属している事業場の名称、所在地、代表者の役職・氏名、電話番号、郵便番号、担当者の所属部課名・氏名を記入します。

労働保険番号は、会社や事業ごとに振り出されている14けたの番号になります。

不明な場合は、会社に記入してもらうか、会社に確認して記入するのが良いと思います。
労働保険番号の詳細については、当サイトの記事をご覧ください。※労働保険番号は雇用保険適用事業所番号とは違うものですのでご注意ください。

※建設業の下請業者に所属する労働者の場合は、元請事業場名も余白に記入するようにします。

3 災害発生日

けがをした日時と場所(住所など)を記入します。

なお、交通事故の場合は、第三者行為災害届に添付する「交通事故証明書」に事故発生の日時と場所が記載されています。

4 第二当事者(相手方)

事故の相手方の氏名、年齢、住所、電話番号、郵便番号を記入し、相手方が仕事中だった場合は、相手方の会社の名称なども記入します。

相手方について

第三者行為災害には必ず相手方がいます。車同士の事故の場合は相手車の運転手、訪問先や散歩中の犬に咬まれたときはその飼い主が第二当事者(相手方)になります。
車の単独事故で同乗していた人がけがをした場合は、その車の運転手が第二当事者(相手方)になります。
なお、事故の相手方が逃げてしまった、たいしたことはないと思い相手方の確認をしなかったなど、相手方が不明の場合は「不明」と記入しましょう。

5 災害調査を行った警察署又は派出所の名称

交通事故や暴力事件などのように警察による災害調査が入った場合に、担当の警察部署を記入します。

6 災害発生の事実の現認者

5の災害調査を行った警察署又は派出所がない場合に記入します。

現認者とは、けがをしたときにその場で見ていた人のことですが、そういう人がいない場合はけがをした人の上司や、けがの報告を受けた方などの氏名、年齢、住所、電話番号、郵便番号を記入します。

7 あなたの運転していた車両

車両の運転車だった場合、その車両の車種や登録番号(車両番号)、運転者の運転免許証に関することを記入します。

記入例
運転車両の記入例

第三者行為災害届(届その2)

第三者行為災害届(届その2)
第三者行為災害届(届その2)

交通事故以外の場合は「届その2」を提出する必要はありません。

8 事故現場の状況

事故当時の天候、見透し、道路の状況、標識、信号機、交通量などの状況を、わかる範囲で記入します(該当する項目を○で囲みます)。

9 事故当時の行為、心身の状況及び車両の状況

事故当時の心身の状況や、行為などを、わかる範囲で記入します(該当する項目を○で囲みます)。

10 第二当事者(相手方)の自賠責保険(共済)及び任意の対人賠償保険(共済)に関すること

(1)自賠責保険(共済)についてと(2)任意の対人賠償保険(共済)については、自賠責保険と任意保険の契約内容について記入しますが、自分のものではなく相手方のものを記入することに注意して下さい。

相手方の保険会社が不明な場合は、すでに保険会社どうしで交渉している場合が多いと思いますので、自分の保険会社に聞いてみましょう。ちなみに、相手の自賠責保険に関する事項は交通事故証明書にも掲載されています。

記入例
自賠責保険と任意保険の記入例

(3)保険金(損害賠償額)請求の有無は、「人身部分(車の修理などの物損部分ではなく、けがの治療費や休業損害など)」を相手の保険会社に対し請求しているかどうかについて記入します。

なぜなら、相手方の保険会社から損害賠償を受けた場合は、労災保険の給付額が調整されるためです。

11 運行供用者が第二当事者(相手方)以外の場合の運行供用者

運行供用者とは「車の使用について支配権を持っており、車の使用によって利益を得ている人」のことを指します。

たとえば、相手方は運送会社やタクシー会社の社員で、会社の車を運転中に事故を起こしたとします。この場合、一般的に運送会社やタクシー会社はその所有する車の使用について支配権を持ち、車の使用により利益を得ていますから、会社は運行供用者に該当すると考えられます。

したがって、そのような場合はその会社名などを記入するようにしましょう。

運行供用者を記入する理由は?

車の使用について支配権を持つ人は危険管理責任があり、その運行によって生じた損害についての責任を負担すべきと考えられるためです。
また、車の使用によって利益を得ている人は、その運行によって生じた損害についての報償責任も負うべきと考えられるためです。

12 あなた(被災者)の人身傷害補償保険に関すること

けがをした人(被災者側)が人身傷害補償保険に加入しているか加入していないか、加入していればその契約内容と人身傷害補償保険への保険金の請求の有無を記入します。

人身傷害補償保険って?

一般的に「任意保険」と呼ばれるものは対人・対物保険のことで、相手方に対してのみ補償され、自分には補償されません。
これに対し、人身傷害補償保険は特約で任意に加入することで、自分や同乗者に対して補償が受けられるようになるものです。

第三者行為災害届(届その3)

第三者行為災害届(届その3)
第三者行為災害届(届その3)

13 災害発生状況

災害発生状況をできるだけ詳細に記入します。自分の行動や相手の行動などを含めつつ、5W1Hに注意しながら、わかりやすく記入するようにします。

記入例
災害発生状況の記入例

14 現場見取図

交通事故の状況などの現場の見取り図を記入する欄です。

届その4にもっと大きな記入欄がありますので、書きづらい場合はそちらに記入しましょう。(こちらに記入した場合は、届その4は提出する必要はありません。)

※こちらに見取り図を記入する場合の記入例は、届その4を参考にしてください。

記入例
現場見取図の記入例

15 過失割合

けがをした本人が考える自分と相手との過失割合と、そのように考える理由を記入します。

わからない場合は、自分の保険会社に聞いてみましょう。物損などの部分ですでに過失割合が決定している場合があります。

記入例
過失割合の記入例

16 示談について

第二当事者(相手方)との示談の状況を記入します。

示談(じだん)とは、当事者同士が話し合いなどにより解決することで、交通事故における示談とは、賠償金額について当事者間で裁判所の手を借りずに、話し合いにより主張を譲り合って合意することをいいます。

示談にあたっては、事前に管轄の労働基準監督署に相談することをおすすめします。示談の内容によっては、労災保険から給付を受けられなくなる可能性があるからです。

17 身体損傷及び診療機関

自分と相手側のけがの状況や受診先の病院名などをわかる範囲で記入します。

転院した場合は、転院前と転院後について二段書きなどによりできるだけ記入します。

記入例
身体損傷状況の記入例

18 損害賠償金の受領

相手方から、すでに損害賠償金として受けたものが一部でもある場合は、それを受領した日や金額などについて記入します。

これは損害賠償金!?

相手方から「治療費のたしにしてください。」とか、「お見舞金」や「お見舞いの品」などとして受け取った場合、損害賠償金にあたるのか迷うことがあると思います。
最終的に損害賠償金にあたると判断された場合は、その分、労災給付を受けられなくなってしまいますので、迷った場合は労基署、場合によっては弁護士などに確認することをおすすめします。

事業主の証明

業務災害の場合は、事業主の証明が必要になります。事業主は、災害が発生した日時や発生状況などの証明をすることになります。

通勤災害の場合は、事業主の証明は必要ありません。

第三者行為災害届(届その4)

第三者行為災害届(届その4)
第三者行為災害届(届その4)

現場見取図

届その3の「14現場見取図」に書ききれないようなときに、こちらの大きな図を使用して記入します。

自車や相手車、進行方向などのほか、地名や道路名、道路幅、信号、横断歩道、道路標識、目印となる建物などを、表示符号を参考にして、できるだけわかりやすく図示します。

記入例
現場見取図詳細の記入例

念書(兼同意書)

念書(兼同意書)
念書(兼同意書)

念書(兼同意書) 上部

けがをした年月日、災害が発生した場所の住所、第一当事者(けがをした人)の氏名、第二当事者(相手方)の氏名を記入します。

念書(兼同意書) 下部

念書(兼同意書)を記入した年月日、管轄の労働基準監督署名、請求権者(けがをした本人)の住所と氏名を記入し、本人の印鑑を押します。なお、氏名欄はけがをした本人が自筆で書くことになっています。

念書(兼同意書)の内容の解説

「念書」とは、労基署に対して、書いてある内容を「きちんと理解して確認しましたよ、約束しましたよ」と書面で残すものです。また、「書いてある内容に同意しましたよ」という「同意書」も兼ねた様式になっています。

1と2は、相手方と示談や和解した場合の約束事について書かれています。示談や和解したら労基署に連絡が必要ということと、その内容によっては、労災給付がまったく受けられなくなったり、一部が受けられなくなる場合があるということをいっています。

3は、「求償」について書かれています。「求償(きゅうしょう)」とは、たとえば相手との過失割合が50%対50%だった場合、本来、半分は本人が相手方からもらう権利があるわけですが、労災保険から本人に対し全額支払われたときはその権利が本人に代わって労災保険側に移るということです。

4は、「控除」について書かれています。労災保険と損害賠償は二重に受け取ることはできませんので、損害賠償金を受けた分は労災保険から差し引かれて支払われるということです。

5と6は、同意書の部分になっており、労災保険と自賠責保険などとの調整に関することや、互いに情報を共有することに同意する内容になっています。

第三者行為災害届の手続きの流れ

第三者行為災害届の手続きの流れについて説明します。

どういうときに使うの?

仕事中や通勤途中にけがをして、それが第三者行為災害に該当する場合に提出が必要になります。第三者行為災害届は、5号様式や休業補償などの請求書に加えて提出する必要があります

また、第三者行為災害届に添付が必要な書類は、次のとおりになります。

第三者行為災害届添付書類一覧

交通事故証明書は、自動車安全運転センターで発行を受けることができます(手数料がかかります)。

警察に事故の届け出をしていないなど、何らかの事情で交通事故証明書がもらえない場合は、「交通事故発生届」でも代用ができることになっています。様式はダウンロードすることが可能です。

どこに提出するの?

管轄の労働基準監督署に提出します。

いつまでに提出するの?

災害発生後、すみやかに提出となっています。

用紙はどこからもらうの?

最寄りの労働局・労働基準監督署で入手するか、厚生労働省のホームページからPDF形式かエクセル形式をダウンロードして印刷して使用することができます。

手続きが難しい!相談サポートを活用しよう!

このように、第三者行為災害の場合は、一般の労災申請に比べて提出しなければならない書類が多く、記入しなければならない項目も多くなるため、どうしても手間がかかってしまいます。

また、相手への損害賠償慰謝料請求などの話がからんできて、示談交渉が必要になるなど、どうしても話が複雑になってきます。

このため、交通事故などのケースでは弁護士に依頼する人が増え、昨今では交通事故問題に特化した弁護士が多くいるほどです。第三者行為災害では、弁護士に間に入ってもらうことにより、多額の損害賠償金や慰謝料などを受け取れるケースが増えています。

しかし、「いきなり弁護士に相談はちょっと…」という人もいらっしゃるかもしれません。たしかに敷居が高い気がしますね。

そんなときは、まずは無料で相談できる相談さぽーとを活用して、あなたの悩みを打ち明けてみましょう。無料相談が可能で、あなたに合った弁護士などを紹介してもらえます。

「絶対に無理だと思っていたのにちゃんと支払われた!」「相談してよかった!」などの声も多く寄せられていますので、絶対にあきらめずに相手からもらうものはもらいましょう!

厚生労働省ホームページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました