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休業(補償)給付

休業補償の最低保障額は?

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Q 休業補償などの平均賃金は、賃金を暦日数で割って算出しますが、実労働日数が少ない場合、暦日数で割ってしまうと1日あたりの単価が安くなってしまうような気がするのですが。

 

A 労災保険の平均賃金には「最低保障」があり、実労働日数が少ないなどの理由で賃金が不当に低くならないように平均賃金が引き上げられる制度があります。

 

休業補償には「最低保障」がある

平均賃金は、通常、けがをする前の3か月間に労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割ったもので算出することになっています。

この場合、「月にいくら」と給料が決められている「月給制」の人は、実労働日数の多い少ないに関わらず平均賃金にそれほど変動はありませんが、「日給」の人や「時間給」の人はそうはいきません。

 

例えば、パートやアルバイトの人の場合、月の所定労働日数が10日間程度しかないということも普通にありますよね?

この場合、単純に3か月間の賃金を暦日数で割って算出してしまうと、平均賃金(1日あたりの単価)が著しく低くなってしまいます。

したがって、通常どおり暦日数で割って計算した金額が、一定の金額に満たないときは、下の計算方法によって算出された「最低保障平均賃金」が採用されることになっています。

 

最低保障の適用がある場合とは

最低保障は、労働日数によって賃金が変動する場合を想定した制度ですので、月定額で賃金が支給される(月給制)場合は意味がありません。

賃金の全部または一部が日給や時間給、出来高払制や請負給などによって支払われている場合に、最低保障平均賃金の適用があります。

 

最低保障平均賃金の算出方法

賃金の全てが日給・時間給・出来高払制・その他請負制によって支払われている場合と、賃金の一部が月給制によって支払われている場合に分けてご説明いたします。

 

賃金の全てが日給・時間給・出来高払制・その他請負制によって支払われている場合

算定期間の3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の実労働日数で割った金額の60%が最低保障平均賃金になります。

 

賃金の一部が月給制によって支払われている場合

通勤手当や家族手当が月給で、それ以外の基本給などが日給や時間給といったような場合です。

この場合は、月給部分と、日給や時間給の部分に分けてそれぞれ計算し、その合算が最低保障平均賃金になります。

月給部分については、通常どおり算定期間中に支払われた月給部分の総額を、その期間の暦日数で割ったもので算出します。

日給や時間給部分は、算定期間中に支払われた日給や時間給部分の総額を、その期間の実労働日数で割り、60%をかけて算出します。

 

【例】

  • 負傷月日:8月23日
  • 賃金締切日:月末
  • 日給:10,000円
  • その他手当:通勤手当 月2,000円

この場合、平均賃金の算定期間は、5/1〜5/31、6/1〜6/30、7/1〜7/31の3か月間になります。各月の労働日数と賃金が以下の場合で通常の平均賃金と、最低保障平均賃金を計算してみます。

5月
労働日数 10日
賃金 基本100,000円 通勤手当2,000円

6月
労働日数 15日
賃金 基本150,000円 通勤手当2,000円

7月
労働日数 13日
賃金 基本130,000円 通勤手当2,000円

 

通常の平均賃金

算定期間中の総賃金を暦日数で割ったものになります。
386,000円÷92日=4,195円65銭

 

最低保障平均賃金

6,000円÷92日=65円21銭
380,000円÷38日×60%=6,000円00銭
65円21銭+6,000円00銭=6,065円21銭

 

通常の平均賃金<最低保障平均賃金となりますので、この場合、最低保障の「6,065円21銭」が採用されます。

 

管理人画像

労災保険では、労働日数が少なくて不当に平均賃金が安くならないように「最低保障」というのが定められているんですね。

ちなみに、最低保障が「一労働日あたりの60%」となったのは、通常の場合、稼働状況が最も悪い事業であっても1か月のうち18日は働くという事実が根拠になっているようです。

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