労災10号様式(後遺障害)の記入例と書き方を徹底解説

障害(補償)給付
この記事は約10分で読めます。
労災10号様式(後遺障害)の記入例と書き方


後遺障害を申請するときに使用する労災の10号様式(障害補償給付支給請求書)の記入例と書き方について解説していきます。

もし、まだ10号様式をお持ちでない場合は、労災保険の請求書(申請書)様式・書類はどこからもらうの?を参考にしてください。

最寄りの労働局・労働基準監督署で入手するか、厚生労働省のホームページからダウンロードして印刷して使用することもできます。

なお、通勤災害の場合に使用する16号の7様式についても、あわせて解説していきます。

管理人

下でくわしく説明するよ☆

労災10号様式(後遺障害)の記入例と書き方

では、労災10号様式の記入例と書き方について項目順に解説します。

※令和元年5月現在の様式を使用しています。用紙の入手時期などによって項目番号がずれるなどの場合がありますが、該当の項目名で見ていただければ問題ありません。また、古い用紙でも受け付けてもらえます

■10号様式(後遺障害)

労災10号様式(後遺障害)
労災10号様式(後遺障害)

①労働保険番号

会社や事業ごとに振り出されている14けたの番号になります。

不明な場合は、会社に記入してもらうか、会社に確認して記入するのが良いと思います。
労働保険番号の詳細については、下の記事をご覧ください。

※労働保険番号は雇用保険適用事業所番号とは違うものですのでご注意ください。

②年金証書の番号

労災の傷病(補償)年金を受給していた人が症状固定になり、後遺障害を請求するときなどに、労災の年金証書の番号を記入します。

労災年金を受給していなかった人は記入する必要はありません。

管理人
管理人

傷病(補償)年金を受給していた人は、①労働保険番号、④負傷又は発病年月日、⑥災害の原因及び発生状況の記入は必要ありませんし、事業主の証明を受ける必要もありません。

③労働者の氏名・生年月日・住所・職種・所属事業場の名称所在地

けがをした本人の氏名・性別・生年月日・年齢・住所・職種・所属事業場の名称所在地を記入します。

「職種」は、けがをした当時のものを記入します。
記入例】→現場作業員、一般事務員、自動車販売営業、鋳物工、一般貨物取扱員など

「所属事業場の名称・所在地」は、けがをした人が直接所属している事業場が、事業主証明欄の事業場とちがう場合に記入します。同じ場合は記入する必要はありません。たとえば、別の場所にある支店や営業所、工場、建設事業の下請事業場などが該当します。

④負傷又は発病年月日

けがをした日付と時間を記入します。

なお、上肢障害・精神障害・脳心臓疾患・振動障害・じん肺などの場合は、労働基準監督署で認定済みの発病年月日を記入します。時間は記入する必要はありません。

⑤傷病の治癒した年月日

けがが治った日(症状固定日)を記入します。

病院で医師が書いてくれる診断書(障害補償給付請求用)の「治ゆ年月日」と同一になります。

⑥災害の原因及び発生状況

災害発生状況をできるだけ詳細に記入します。

すでに病院や労働基準監督署に提出している他の請求書と同じ内容でかまいません。

【記入例】

鋳物工場内の2階倉庫から1階作業場に通じる階段において、木箱(65×45×20cm)を倉庫から搬出作業中、後ろ向きに階段を下っていたため、足を踏み外し、約1.7m下に転落し、左足首を捻挫した。

⑦平均賃金

休業補償や傷病(補償)年金を受給していた人は、決定済みの平均賃金の額を記入します。
※平均賃金は、支給決定通知書や振込通知書などに印字されています。

なお、休業補償などを受給していなかった人は記入する必要はありませんが、後日、平均賃金を決定するための資料などの提出を求められる場合があります。

⑧特別給与の総額(年額)

特別給与とは、賞与(ボーナス)、褒賞金、半期精勤手当などの、3ヶ月を超える期間ごとに支払われるものをいいます。これらの支払いがあった場合は、負傷年月日又は発病年月日以前1年間に支払われた特別給与の総額を記入します。

管理人
管理人

賞与などは平均賃金の算定には含まれていません。賞与などの支払いがあった人は記入するようにしましょう。給付金が増額されます。

⑨厚生年金保険等の受給関係

労災に後遺障害を請求する理由と同じ理由で(同じけがで)、厚生年金保険や国民年金などから障害年金を受けている場合に、その詳細を記入します。

※脊髄損傷や上下肢の切断などの重たい傷病の場合は該当する場合があります。
※労災の障害(補償)年金と厚生年金保険などの障害年金を両方もらう場合は、労災の障害補償が少し減額されて支給される場合があります。

事業の名称、事業場の所在地、事業主の氏名

事業主の証明欄です。事業主は「労働者がけがをした日時」「災害発生状況」「平均賃金や特別給与」「厚生年金保険にかかる事項など」の証明をおこなうことになっています。

会社名・住所などのゴム印がある場合はゴム印で構いません。
印鑑は「代表印」になります。
日付欄は、事業主証明をした日付を記入します。

なお、あらかじめ代理人を選任する旨の届け出を出している場合は、事業主ではなく代理人の氏名、印鑑で構いません。

  • 建設現場作業員がけがをした場合は、元請事業場が証明します。
  • 派遣社員の場合は、派遣元の派遣会社が証明します。
  • 出向労働者の場合は、一般的に出向先の事業場が証明します。
管理人
管理人

傷病(補償)年金の受給者や特別加入者は、事業主証明を受ける必要はありません。

⑪既存障害がある場合にはその部位及び状態

労災に後遺障害を請求するものと別の後遺障害がすでにある場合に、その内容について記入します。

⑫添付する書類、その他の資料名

障害(補償)給付支給請求書に添付する書類・資料などがあるときは記入します。

記入例】レントゲン写真2枚、既存障害の診断書など

⑬年金の払渡しを受けることを希望する金融機関又は郵便局

障害年金(第1級〜第7級)に該当した場合に、年金を振り込んでもらいたい口座(金融機関名・支店名・口座の名義人の名前など)を記入します。

管理人
管理人

後遺障害の程度が軽く、明らかに年金(障害等級第1級〜第7級)まで該当しなさそうなときは、この項目は記入する必要はありません。

請求人・申請人の住所、氏名

けがをした本人の郵便番号、電話番号、住所、氏名、個人番号(マイナンバー)を記入し、本人の印鑑を押します。
なお、けがをした本人が自筆で名前を記入した場合は、印鑑はなくても構わないことになっています。

日付は労働基準監督署に提出する日付を記入します。
労働基準監督署長欄は、管轄の労働基準監督署名を記入します。
書類の提出を社会保険労務士に依頼する場合は、「本件手続を裏面に記載の社会保険労務士に委託します。」にチェックをします。

振込を希望する金融機関の名称・預金の種類及び口座番号

障害(補償)一時金や障害特別支給金などを振り込んでもらいたい口座について記入します。

■診断書 障害(補償)給付請求用

診断書 障害(補償)給付請求用
診断書 障害(補償)給付請求用

労災保険に後遺障害の請求をするときは、所定の診断書も一緒に提出する必要があります。症状固定(治ゆ)以後に主治医に診断書をかいてもらいましょう。

診断書料として一時的に病院に4,000円を支払わなければなりませんが、費用請求することで後日、労災保険から戻ってきます。

管理人
管理人

この診断書の様式は、次で説明する通勤災害の場合に使用する様式16号の7でも使用します!

■通勤災害の場合 16号の7様式

労災16号の7様式(後遺障害)
労災16号の7様式(後遺障害)

後遺障害を請求するときに使用する10号様式は「業務災害」の場合に使用するのに対し、「通勤災害」の場合は16号の7様式を使用します。

記入項目は10号様式とほぼ同じですので、上記の■10号様式(後遺障害)の記入例や書き方をご覧ください。

通勤災害の場合は、16号の7様式に加え、「様式第16号の7(別紙)通勤災害に関する事項」を提出する必要がありますので、この用紙の記入例や書き方についてご説明していきます。

■通勤災害の場合 16号の7様式(別紙)通勤災害に関する事項

労災16号の7様式(別紙)
労災16号の7様式(別紙)

㋑労働者の氏名

けがをした本人の氏名を記入します。

㋺災害時の通勤の種別

イ〜ホのうち、どの通勤災害に当てはまるかを選んで記入します。

通常の場合、イかロのどちらかになる場合が多いです。

イ.住居から就業の場所への移動

出勤するために自宅から会社に向かう途中にけがをしたような場合です。

ロ.就業の場所から住居への移動

仕事が終わり、会社から自宅に帰る途中にけがをしたような場合です。

ハ.就業の場所から他の就業の場所への移動

ダブルワーク(複数の事業場で働くこと)している人が、A会社の仕事が終わりB会社に向かう途中にけがをしたような場合です。

ニ.イに先行する住居間の移動

単身赴任者が休日明けに、家族が住む「自宅」から「単身赴任地の住居」へ向かう途中にけがをしたような場合です。

ホ.ロに後続する住居間の移動

単身赴任者が休日に向けて、「単身赴任地の住居」から家族が住む「自宅」へ帰る途中にけがをしたような場合です。

㋩負傷又は発病の年月日及び時刻

けがをした日、けがをした時刻を「午前」または「午後」で記入します。

㋥災害発生の場所

けがをした場所の住所などを記入します。

㋭就業の場所

勤務先の住所や会社名を記入します。

㋺の災害時の通勤の種別が「ハ.就業場所から他の就業の場所への移動」に該当するときは、移動先の勤務先の住所や会社名を記入します。

㋬就業開始の予定年月日及び時刻

就業の場所における就業開始の予定時刻を記入します。

㋺の災害時の通勤の種別が「イ.住居から就業の場所への移動」「ハ.就業の場所から他の就業の場所への移動」「ニ.イに先行する住居間の移動」に該当する場合に記入します。

㋣住居を離れた年月日及び時刻

通勤するために住居を出発した時刻を記入します。

㋺の災害時の通勤の種別が「イ.住居から就業の場所への移動」「ハ.就業の場所から他の就業の場所への移動」「ニ.イに先行する住居間の移動」に該当する場合に記入します。

㋠就業終了の年月日及び時刻

仕事を終えた時刻を記入します。

㋺の災害時の通勤の種別が「ロ.就業の場所から住居への移動」「ハ.就業の場所から他の就業の場所への移動」「ホ.ロに後続する住居間の移動」に該当する場合に記入します。

㋷就業場所を離れた年月日及び時刻

仕事を終えた後、実際に就業の場所を離れた時刻を記入します。

㋺の災害時の通勤の種別が「ロ.就業の場所から住居への移動」「ハ.就業の場所から他の就業の場所への移動」に該当する場合に記入します。

※㋠と㋷の違いは、たとえば仕事が終わったあとに会社で同僚としばらく雑談してから帰ったなどの場合があるためです。

㋦災害時に通勤の種別に関する移動の通常の経路、方法及び所要時間並びに災害発生の日に住居又は就業の場所から災害発生の場所に至った経路、方法、所要時間その他の状況

通常の通勤経路やけがをした場所、所要時間などを、経路図や地図などで表すなどの方法により、わかりやすく記入します。

【記入例】
様式16号の3経路図

㋸災害の原因及び発生状況

災害発生状況をできるだけ詳細に記入します。

【記入例】

JR桜町駅から会社まで徒歩で出勤中、桜町○丁目桜町銀行本店前の市道で道路の縁石につまづき、転倒し、左手首を骨折した。

㋾現認者の住所・氏名

けがをしたときにその場で見ていた人、もしくはそういった人がいない場合はけがをした人の上司や、けがの報告を受けた方などの住所と氏名、電話番号を記入します。

㋻転任の事実の有無

㋺の災害時の通勤の種別が「ニ.イに先行する住居間の移動」「ホ.ロに後続する住居間の移動」に該当する場合に、転任(赴任、転勤)の事実の有無を記入します。

㋕転任直前の住居に係る住所

㋺の災害時の通勤の種別が「ニ.イに先行する住居間の移動」「ホ.ロに後続する住居間の移動」に該当する場合に、自宅の住所などを記入します。

労災10号様式(後遺障害)の手続きの流れ

労災に後遺障害を請求するときに使用する10号様式の手続きの流れについて説明します。

どういうときに使うの?

労災の治療が終了し症状固定(治ゆ)した段階で、後遺障害が残ってしまった場合に使用します。

なお、通勤災害の場合は、様式16号の7を使用します。

どこに提出するの?

主治医に診断書を書いてもらい、管轄の労働基準監督署に提出します。

申請用紙はどこからもらうの?

最寄りの労働局・労働基準監督署で入手するか、厚生労働省のホームページからダウンロードして印刷して使用することができます。

管理人
管理人

他の様式の記入例や書き方について知りたい場合は、こちらもご覧ください。
労災5号様式の記入例と書き方
労災6号様式(変更届)の記入例と書き方
労災7号様式(費用請求)の記入例と書き方
労災8号様式(休業補償)の記入例と書き方

コメント

タイトルとURLをコピーしました